ツヴォルベリッヒは、ドイツ南西部ナーエ地方で
300年以上の歴史を持つ 家族経営のワイナリーです。
「故郷ナーエの自然を守り、子孫の代まで
安心して口にできるものを作りたい。」
その一心から、周囲に先駆け、
1980年代より「ビオディナミ」農法を実践してきました。
農薬や化学肥料を使わず、
時間と手間を惜しまず畑と葡萄を育て、
1996年からはすべてのワインが
DEMETER認証を取得しています。
畑には蝶やテントウムシ、ミミズなどが集まり、
野生のハーブが葡萄の木々の間に
ゆったりと在しています。
その平和で豊かな風景には
オーナー、ハートムート・ハインツの
葡萄作りへの愛情が溢れています。
Oビオディナミ農法とは、
1924年にオーストリアの人智学者
ルドルフ・シュタイナーが行った
「農業講座」の内容に基づく、
自然との共存と、生態系の持続可能性を
重視した有機農法です。
化学肥料や化学農薬を使わず、
牛糞や珪石、ハーブなど自然の材料で
作る調剤を利用して土壌を活性化させ、
畑の作物と生態系を守ります。
さらに月の満ち欠けなど、
天体の動きを考慮して、
適切なタイミングで手入れを行います。
それらは特異な方法ではなく、
約一万年の農業の歴史の中で、
人類が試行錯誤と経験を重ねて
積み上げた農法といえます。
それにより、植物が本来持つ
「生命力」が引き出されるのです。
20世紀以降、化学物質の使用で
痩せてしまった土を健康な状態に戻し、
将来に持続させていく。
その実践には知識と忍耐力が
不可欠となりますが、その意義に賛同し、
効果を確信するに至った農家は
年々増え続けています。
DEMETERは、1927年に結成された
ビオディナミ農法の生産者団体です。
その名はギリシャ神話に登場する
豊穣の女神からきており、
古代ギリシャ語で「母なる大地」を意味しています。
デメターの認証基準はEU有機認証基準より厳格で、
単に化学肥料や化学合成農薬を
使わないだけではなく、
持続可能な生態系や生物の多様性を
取り戻すことを目的としています。
ドイツ・ダルムシュタットに本部を置き、
世界50か国、約8,000の農家が会員となっています 。